2013年7月5日金曜日

大腸がんを検便よりも高確率検出の新検査

血液だけで大腸がんを92%という高い確率で診断できる検査方法が開発された。

わずか0.5ミリリットルの血液で、約3時間で大腸がんの判定が可能。

従来の検便、「便潜血検査」では、便に混じった血液を調cべたり、他の腫瘍マーカーで検査されてきたが、 大腸がんを発見できる確率も精度も非常に低いことが問題だった。

新大腸がん検査は、 大腸がんで多く発生する「miR―21」と呼ばれるマイクロRNAに着目した検査法だ。miR-21は、がん細胞が分泌する微細なマイクロRNA(リボ核酸)だが、ポリープ患者で約2倍、大腸がんの発症者では健zl常者の約5倍に増えることが発見されたのだ。

大腸がん検査では、ポリープ患者でも82%、大腸がん患者なら92%の高い確率で判定できるため、がんの前段階であるポリープも高い確率で判定でき、発病前に治療することも可能になるという。

今後は、約2年間程で実用化が見込まれるため、 大腸がんの初期治療、発症前治療が大幅いに進展しそうだ。

大腸がん高精度新検査法は、三重大学と米医療機関が共同開発し、米国立がん研究所の機関誌に発表された。

2013年7月3日水曜日

効果が135~300倍の新抗がん剤とは

子宮頚がん治療の効果が既存抗がん剤の135倍という新薬の開発が進んでいる。

子宮頚がんや神経芽腫細胞のがん細胞が増殖する仕組みは、徐々に明らかにされつつあり、LSD1(ヒストン脱メチル化酵素)という酵素が大きな原因と分かっている。 子宮頸がん新薬は、このLSD1を標的としてがん細胞の増殖を抑制する。

このLSD1を標的とした抗がん治療は、抗うつ薬として臨床で使われているトラニルシプロミンという薬が有効であることは既知だった。 子宮頸がん新薬は、トラニルシプロミンをLSD1だけに輸送して結合させるドラッグデリバリ型分子(DDM)の「NCD33」を作製したのだ。

このNCD33によるがん治療では、既存薬のトラニルシプロミンに比べて、非常に高い抗がん治療効果が確認された。

子宮頚がん新薬のNCD33は、実験ではLSD1だけを阻害できることが示された。そして、培養したがん細胞に対して、 子宮頚がん細胞の増殖をトラニルシプロミンより135倍以上強く抑え、かつ、神経芽腫細胞に関しては、300倍も強くがん細胞の増殖を抑えたのだ。

今後は、早急に動物実験で安全性と効果を確かめ、人体への臨床試験を模索する予定。

子宮頚がん新薬のNCD33は、京都府立医科大が開発し、その開発研究の成果がドイツ科学誌「Angewandte Chemie International Edition」に掲載された。

2013年7月1日月曜日

自動追尾する新型治療機器をすい臓がんへ

がん放射線治療の際に呼吸で動いてしまう臓器のがんを動くがんの位置をリアルタイムで正確に捉えつつ、放射線をピンポイントで照射できる世界初の治療機器が開発された。

副作用を減らせる最新放射線治療機器は、ベッド型でがんの動きを捉えて追尾できるカメラと「ジンバル」という放射線照射機能を備えたもので、三菱重工業と京都大学の共同開発。

呼吸で動く体内の臓器の中のがんの位置をリアルタイムで捉え、放射線を正確に照射できるため、 がん周辺の正常組織への影響=副作用を減らすことができる。

既に、肺がん胃がんの治療に対しては、同じタイプの治療装置が開発済だったが、新型治療装置はさらに精度が上がったことで、治療が難しいとされる膵臓がんの治療も可能となった。

周辺組織への放射線量を軽減できる副作用が最小化できたことで、 がんを叩く放射線量がアップできる。また、治療時間が短縮できることから、がん患者の負担も大幅に軽減された。